大平洋戦争末期、大阪は50回を超える米軍による空襲で甚大な被害を受けた。著者は3月13日から14日にかけての第一次大空襲を体験し、決して忘れられないと述懐する。あの悲惨な戦争の時代を幼い子供だった著者が体験・目撃したことを次の世代に伝えるべく、戦前・戦中・戦後の人々の暮らしや街の移り変わりを漫画調で描いた。大阪を中心に子どもの目線で描かれた、熱い思いのあふれる作品集となっている。
著者は映画館の看板描きを永年、業としてきただけに、火の粉の渦巻く中を逃げまどう群衆の狂気に満ちたリアルな表情に衝撃を感じる。